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MLA、2016年の牛肉生産量見込みを下方修正(豪州)

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 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は7月19日、四半期に一度の牛肉需給見通しを発表した。

下方修正は牛群再構築の進展を反映

 MLAは、2016年の牛と畜頭数、牛肉生産量および牛肉輸出量の見込みを、前回(2016年4月時点)から下方修正した。牛と畜頭数は、牛群再構築の進展に伴い雌牛のと畜頭数が減少していることから、前回から20万頭少ない 7万4000頭(前年比18%減)と見込んでいる。牛肉生産量は、穀物肥育牛のと畜割合の増加に伴い、1頭当たり枝肉重量が増加していることから、と畜頭数の減少を一定程度相殺し、前回から4万3000トン少ない213万1000トン(同15%減)と見込んでいる。牛肉輸出量は、牛肉生産量の減少を受け、150万7000トン(同20%減)と見込んでいる。
表

牧草生育環境の改善により、牧草肥育業者を中心に牛取引価格は記録的高水準

 肉牛取引価格の指標となる東部地区若齢牛指標(EYCI)価格は、6月の平均価格が1キログラム当たり618セント(枝肉重量ベース)と記録的な高水準で推移している。これは、主要な生産地であるクイーンズランド州、ニューサウスウェールズ州などで、5月から6月にかけて平年を上回る降雨があり、牧草の生育環境が改善したことで、牧草肥育業者のもと牛導入意欲が向上したためとしている。
 価格は7月に入っても高水準のまま推移しており、第2週目では同659セント(540円、1豪ドル=82円)であったのに対し、牧草肥育業者は同675セント(554円)と、EYCI価格の平均よりも16セント(14円)高く購入していることから、MLAは、牧草肥育業者が高いEYCI価格をけん引しているとしている。
 主要生産地域の多くで引き続き平年を上回る降雨が期待できることに加え(図)、低い穀物価格と高い穀物肥育牛取引価格により、穀物肥育業者のもと牛導入意欲も高まっており、EYCI価格は引き続き高水準で推移するとしている。
図 
【大塚 健太郎 平成28年7月20日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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