フォンテラ社、乳価引き上げを発表(NZ)
ニュージーランド(NZ)最大手の酪農協系乳業メーカーであるフォンテラ社は8月25日、2016/17年度(6月〜翌5月)の生産者乳価の支払見込みを、乳固形分1キログラム当たり4.25NZドル(319円:1NZドル=75円)から同4.75NZドル(356円)に引き上げると発表した(図)。
これに先立って同社は8月17日に、配当金(注)についても1株当たり0.50〜0.60NZドル(38〜45円)に引き上げると発表しており、同社が最終的に生産者に支払う金額は、配当金と合わせて乳固形分1キログラム当たり5.25〜5.35NZドル(393〜401円)程度になるとしている。
同社は、今回の生産者支払乳価の引き上げの理由について、乳製品の国際需給が回復基調に入ったとみられるためとしている。生産については、主要な酪農産地であるEUも減産に転じ、NZも減産傾向にあるとし、需要については、低迷が続いていた中国向け乳製品輸出が増加に転じていることを挙げている。現地報道でも、不均衡状態が続いていた国際需給は、ついに「曲がり角を迎えた」との見方も多い。
一方で、同社は、今後数カ月間、国際相場は引き続き不安定な状態が続くとしており、また、為替相場がNZドル高で推移していることから、今後も予断を許さない状況が続く可能性があるとして、警戒を強めている。
注:通常、フォンテラ社へ生乳を出荷する生産者は、生乳出荷実績に応じてフォンテラ社の株式を取得する(乳固形分1キログラムに対して1株)。このため、最終的に生産者に支払われる金額は、生産者乳価と配当金を合わせた金額となる。
【竹谷 亮佑 平成28年8月26日発】
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