このような中、貿易救済措置の担当部局である同国商務部貿易救済調査局は、昨年11月19日付で国内のDDGSの利害関係者の代表である中国酒業協会によるアンチダンピングと補助金相殺関税に関する調査申請を受領した。これに基づき、本年1月12日付で、国際約束の担保法令である中華人民共和国反ダンピング条例および同国補助金相殺関税条例に従って、米国産輸入DDGSに対する貿易救済措置に関する調査を実施する旨公表した。
その後同部は、調査の結果、ダンピング輸入と判定された米国産DDGSにより、国内の酒類製造業者が深刻な影響を受けているとして、本年9月23日付で、同日以降輸入される米国産DDGSに対し反ダンピング税を徴収する仮決定を公表した
注1。同措置により、中国にDDGSを供給していた米国企業は、一律反ダンピング税33.8%を徴収されることとなった。
また、続く9月28日には、反ダンピング税の措置と同様に、9月30日付で補助金相殺関税措置を発動する旨の仮決定を公表した
注2。
なお、GATT協定
注3により、ダンピングまたは輸出補助金から生じる同一の事態に対する補償を行うために両税を併せて課すことはできないとされているが、商務部は、税関を通じ、DDGS(及び後述の鶏肉等)については、両税を併課すると公表した。また、今回は両税とも仮決定のため、原則4カ月以内(最長6カ月)の暫定措置として課されることになる。
注1:第49号公告
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/e/201609/20160901399617.shtml
注2:第48号公告
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/e/201609/20160901402592.shtml
注3:「関税と貿易に関する一般協定」第6条第5項