ホーム > 畜産 > 海外情報 > 2016年 > 中国による米国産牛肉の輸入禁止措置の一部解除に対する米国農務省の反応および今後のステップ(米国)
~米国農務省(USDA)の反応~
中国が9月22日に米国産牛肉の輸入禁止措置の一部解除を公表した(海外情報2016年9月29日発)ことを受け、同日付文書でヴィルサック農務長官は次のようなコメントを公表した。
~米国の牛肉輸出と中国の牛肉輸入の動向~
また、同公表文書によると、2003年12月に米国で初めて牛海綿状脳症(BSE)が発生した影響により、同年に30億米ドル(3090億円:1米ドル=103円)あった同国の牛肉輸出額は、2004年には11億米ドル(1133億円)にまで減少したものの、2011年にはBSE発生前の水準の輸出量に回復し、2015年の輸出額は58億米ドル(5974億円)にまで達している。
中国の2003年における牛肉輸入額は、1500万米ドル(15億4500万円)(うち米国産が1000万米ドル(10億3000万円))にすぎなかったが、近年劇的に増加しており、2015年には23億米ドル(2369億円)にまで達している。なお、2016年には82万5000トンの牛肉を輸入し、世界第2位の牛肉輸入量である日本を抜き、米国に次ぐ牛肉輸入国となる見通しである。中国における急激な牛肉消費の増加は中間層がけん引しており、中国の牛肉市場は世界で最も成長している。
~米国産牛肉の輸入再開に必要とされるステップ~
北京駐在のUSDA農務官からの報告(9月26日公表)によると、今般の30カ月齢未満の牛由来の骨付き/骨なし牛肉の輸入禁止措置解除の公表については、今後の輸入条件の協議および現地調査の実施へと続く3つの必要なステップの1つにすぎず、実際に米国からの輸出が開始されるまでにはそれなりの時間を要することが予想される。
第2のステップとして、両国の検疫当局が輸入条件について協議し合意に達した後、第3のステップとして、中国政府の専門家で構成される調査団が米国において現地調査を実施する。この現地調査で特段の問題がなければ、米国産牛肉の中国への輸出が再開される。