同社は、今回の乳価引き上げの理由について、乳製品国際価格の回復と、同社の2016/17年度第1四半期の業績改善の2点を挙げている。
乳製品国際価格については、需要が堅調な中、生乳生産量は、NZが多雨による牧草生育不良により前年度を下回って推移している上、EUや豪州といった主要な酪農地域も減産傾向となっているため、上昇基調にあるとしている。
また、第1四半期の売り上げについては、金額ベースで前年同期比2%増、数量ベースでは同6%増とともに前年同期を上回ったとしている。中でも消費者向けや食品サービス産業向けの高付加価値乳製品の売り上げが好調で、売上全体に占める割合も31%(同3ポイント増)に増加したとしている。
同社は今年度の集乳量について、前年度比で7%近い減少を見込んでおり、今年度のさらなる売上増に向けた懸念材料となるとしている。
しかし、現地報道によると、今回の乳価引き上げは、供給減と需要増の両面に支えられて上昇した国際価格を反映したものであり、酪農家にとって増産のインセンティブとなることから、集乳量はそれほど減少しないとの見方もある。
- 注:通常、フォンテラ社へ生乳を出荷する生産者は、生乳出荷実績に応じてフォンテラ社の株式を取得する(乳固形分1キログラムに対して1株)。このため、最終的に生産者に支払われる金額は、生産者乳価と配当金を合わせた金額となる。