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冬作物の生産量、過去最高の見込み(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は12月6日、2016/17年度(7月〜翌6月)の穀物生産見通しを発表し、冬作物は良好な降雨による単収の向上により、過去最高の生産量を記録する見込み。夏作物も綿実の作付面積の拡大により、前年度を大幅に上回る見込み。

冬作物(3〜6月は種、10月〜翌2月収穫)

 現在収穫中である冬作物の作付面積は、2235万ヘクタール(前年度比1.1%増)とわずかな増加にとどまるものの、降雨に恵まれ、単収は1ヘクタール当たり2.35トン(同30.9%増)とかなり大きく増加した結果、生産量は9月に示した見通しをかなり上方修正し、5244万トン(同32.3%増)と過去最高を記録する見込みとしている(表1)。
 
 生産量を州別に見ると、すべての州で増加する見込みであるが、特に全体の約3割を占めるニューサウスウェールズ州は1503万トン(同31.7%)、ビクトリア州は前年度比2倍に相当する869万トンと、良好な降雨による単収の向上により大幅に増加すると見込まれている。また、品目別に見ると、冬作物の6割を占める小麦と、2割を占める大麦がそれぞれ3264万トン(同34.9%増)、1064万トン(同23.9%増)と大幅に増加し、ともに過去最高の大豊作になると見込まれている。

夏作物(10月〜翌1月は種、3〜4月収穫)

 現在は種を行っている2016/17年度の夏作物の作付面積は、9月に示した見通しからわずかに下方修正されたものの、135万ヘクタール(前年度比15.0%増)と大幅に増加し、単収についても1ヘクタール当たり3.37トン(同5.0%増)とやや増加する結果、生産量は456万トン(同20.8%増)と大幅に増加するとしている。
 
 州別に見ると、ニューサウスウェールズ州は、降雨によりかんがい用水を取得しやすくなったことおよび国際価格の高まりによる収益性の向上を受け、綿実の作付面積が前年度比91%増と大幅に増加したことにより、夏作物全体の生産量は262万トン(同59.9%増)と大幅に増加し、前年度の夏作物の生産量が最も多かったクイーンズランド州を上回る見込みとなっている。
 品目別に見ると、綿実は収益性の向上を受け、作付面積が大幅に増加したことから、146万トン(同64.4%増)と大幅に増加する見込みとなっている。一方で、夏作物の主産品となっているソルガムは、綿実への切り替えにより作付面積が大幅に減少したことから、144万トン(同29.4%減)と大幅に減少し、綿実の生産量を下回る見込みとなっている。
【大塚 健太郎 平成28年12月12日発】
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