ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は1月9日、世界的に鳥インフルエンザ(AI)が拡大している事態を受け、生きている鳥と接触する施設またはエリアに外国からの顧客を受け入れることを停止すると発表した。当面の受け入れ停止期間は、1月10日から30日間としている。AIの発生は、直近数カ月の間に、EUやアジアなど33カ国で確認されている中、年明けには隣国チリでも低病原性(詳細は参考のとおり)が確認されたことを受け、業界として危機管理レベルを引き上げている
なお、ブラジルでは今回の決定以前は、AIが発生していない国からの訪問者に限って、国内に72時間滞在した後、鳥の飼育施設に入ることが業界として認められていた。
ABPAのフランシスコ・トゥーラ会長は、ブラジルでは主要鶏肉輸出国の中で唯一AIが発生していないことを強調した上で、「生産部門と州政府の当局が連携して防疫対策を強化しており、養鶏場への人の訪問や資材等の納入を厳しく管理している」と述べた。
(参考)チリ農業省農業牧畜局(SAG)は1月6日、同国中部バルパライソ州の家きん生産業者であるアグロスーパー社の七面鳥農場で1月4日に確認されたAIウイルスが、米国農務省の専門機関での検査で低病原性と判明したことを公表した。SAGは発生を受けて既に感染農場の七面鳥(35万羽)を殺処分しており、感染拡大予防のために同地域を検疫下に置いている。また、SAGは人への感染は起こっていないとしている。
アグロスーパー社によれば、感染農場は、1996年に買収したソプラヴァルブランドが運営している。なお、チリでは、2002年に初めて高病原性AIの発生が確認され、家きん肉の輸出が停滞した。