ブラジルの大手食肉企業であるMinerva Foods社(注1)は1月17日、ブラジル北東部エスピリトサント州に本拠を構えるFrisa Frigorifico Rio Doce社(注2)の買収を断念したと発表した。
Minerva Foods社は、ブラジル国内外での拡大戦略を進める中で今回の買収に動いたが、同社の発表によれば、Frisa Frigorifico Rio Doce社が、買収に必要な書類を提出しなかったため、断念せざるを得なくなった。
両社は2016年11月7日、Minerva Foods社がFrisa Frigorifico Rio Doce社を総額2億500万レアル(71億7500万円)で買収することで合意に至った後、11月28日にはブラジルの公正取引委員会に該当する経済擁護行政委員会(CADE)による企業結合の審査も既に完了していた。
(注1) Minerva Foods社は、1957年創業のブラジルの大手食肉企業である。牛肉生産量は国内第3位であるが、輸出仕向け割合が7割と高く、牛肉輸出量は第2位である。国内11カ所のほか、近隣のパラグアイ3カ所、ウルグアイ2カ所、コロンビア1カ所に牛と畜・加工施設を有している。同社全体の牛と畜能力は、1日当たり1万7330頭で、加工能力は同2万300頭。傘下のMinerva Fine Foods社は、牛肉、豚肉、鶏肉由来の加工品を製造している。
(注2) Frisa Frigorifico Rio Doce社は、1968年創業のブラジルの中堅牛肉企業であり、エスピリトサント州、ミナスジェライス州、バイーア州に合計4カ所の牛と畜・加工施設を有している。2015年には、9億4200万レアル(329億7000万円)の売上高を記録しており、この約33%が輸出由来であった。