ブラジルの大豆とトウモロコシの最大生産州であるマットグロッソ州(参考)では、現在大豆の収穫期を迎えているが、1月中旬以降長雨により、収穫作業に支障を来たしている。マットグロッソ州農業経済研究所(IMEA)は、この影響で、1月27日時点の2016/17年度(10月〜翌9月)の大豆収穫率が事前の予想(24.7%)を下回る16.3%にとどまったと見ている。
同時点の大豆収穫率は前年度が8%、例年でも10〜12%であるため、今年度について鈍化したとは言え一見順調のようにみられる。しかしながら、長雨の影響で収穫できない状況が続くと、かびなどが発生しやすくなり、品質と作柄の悪化懸念が強まる。2016年にはアルゼンチンで同様の事態が発生し、生産量がかなりの程度下方修正された。
今回の長雨に起因する懸念を受け、かびの発生など品質悪化を懸念する声も聞かれる中、農業調査会社Agroconsultaのアナリストのファビオ・メネヒン氏は現地を調査する限り、現時点では損失が発生するレベルには至っておらず、今後、短期間で天候が好転し刈入れが進展すると見込んでいる。
また、IMEAによると、1月27日時点の第2期作トウモロコシの播種進捗度合いは、前年度(4.8%)より進展しているものの、事前の予想(16%)を下回る10%にとどまったと報告されている。同州における第2期作トウモロコシの播種は、2月20日ごろまでが望ましく、遅くとも3月中旬までには済ませる必要があるが、播種が遅くなるほど、生育期が後ずれして乾季(4〜9月頃)と重なるため、リスクが大きくなるといわれている。
このように、大豆の収穫が遅れると、後作のトウモロコシの播種にも影響が出ることから、天候の動向に注目が集まっている。
(参考)2毛作が可能である同州では、前作に大豆、後作にトウモロコシの作付けが一般的である。具体的には、大豆の播種期が9〜12月、収穫期が1〜4月で、収穫直後の1〜3月に後作のトウモロコシを播種し、5〜7月に収穫が行われる。IMEAが2016年12月5日に発表した2016/17年度第3回目の同州の大豆生産見通しでは、同年度の生産量は高単収により、見通しの公表を開始した2007/08年度以降で過去最高の水準が見込まれている(参考表)。