現地報道によると、ブラジルのBlairo Maggi農牧食糧供給大臣は、来たる2月22日にメキシコのJose Eduardo Calzada農業大臣と、穀物などの取引拡大に向けた会合を予定していることを明らかにした。メキシコはこれまで、北米自由貿易協定(NAFTA)の枠組みの中で、特に米国からトウモロコシなど多くの農畜産物を輸入してきたが、トランプ大統領の就任後、関係悪化が報じられている。
Maggi大臣は、米国のトランプ大統領が環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の永久離脱に関する大統領令に署名して以降、自由貿易をめぐる風向きが大きく変わる中、ブラジルとの会合を希望する国が増えていると述べた。
ブラジルからメキシコへの農畜産物輸出は、トウモロコシや大豆は安定的ではないものの、鶏肉は2015年11月に、ブラジル国内の鶏肉輸出認定施設が16カ所追加され21カ所になったこともあり、増加している(表1、2)。ブラジルとしては、国内経済が停滞する中、農畜産物の輸出に期待するところが大きいことから、商工サービス省の高官は、米国を除いたTPP交渉参加国11カ国(豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、NZ、ペルー、シンガポール、ベトナム)など太平洋諸国との関係強化を目指すと述べている。