大豆生産は過去最高を見込むも、高温乾燥で下方修正の可能性(パラグアイ)
南米の中央部に位置するパラグアイは、大豆の世界第6位の生産国であり、第4位の輸出国である(表1)。大豆生産は、一定の降雨の見込める中部から東部を中心に行われており、播種期は9〜10月、収穫期は1〜2月中旬とされる。大豆生産の礎は、日本人移住者に加え、1970〜80年代にかけて、安価で広大な土地を求めてブラジルなどから移り住んできた生産者が築いたとされる。
世界の大豆市場は、ブラジルと米国が圧倒的なシェアを有しているが、パラグアイも近年、生産・輸出ともに増加基調で推移しており、国際市場に与える影響も一定程度有している(図、表2)。
同国の2016/17年度の大豆生産について、パラグアイ穀物・油糧種子輸出業者協会(CAPECO)は1月中旬、過去最高の930万トンに達する見込みであると発表した(注:上記のUSDAの推定値とは異なる)。1ヘクタール当たりの単収は、前年度を8.7%上回る3.0トンと見込んでいる。
一方で、CAPECOは2月1日、同年度の生育状況について、年明け以降、主産地のSao Pedro県やAlto Parana県で、年明け以降、最も敏感で一定の降雨を必要とする子実形成期に高温乾燥状態が続いていると発表したことから、10月以降に播種されたものは、子実の生育が不十分となる懸念が拡がっており、単収が2割程度低下する可能性が指摘されている。
この結果、過去最高を見込んでいた生産量が下方修正される可能性が高まっている。
【米元 健太 平成29年2月10日発】
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