ブラジルのマウリシオ・キンテラ運輸港湾民間航空大臣は2月2日、パラナ州のパラナグア港(参考)の浚渫(しゅんせつ)工事の開始に調印した。今回の工事には、3億9400万レアル(142億円)の予算が計上されており、工事を落札・受注したDTA Engenharia社は、作業期間11カ月(2018年1月終了)を予定している。これにより、同港の水深は、運河が15メートルから16メートルへ、岸壁が12.5メートルから14メートルとなる予定である。
同国では、貿易量の拡大により、遅延リスクなどのいわゆる「ブラジルコスト」が問題視されており、全国港湾ロジスティクス計画(PNLP)の下、政府主導で港湾への投資や民営化を進めており、今回もその一環とされる。
パラナグア港の運営管理を行うAPPAは、今回の浚渫工事は、1420万立方メートル(リオデジャネイロのマラカナンスタジアム15個分)の土砂を対象とする大規模なプロジェクトで、喫水制限が1.5メートル程度拡大することで、貨物量が1船当たり1万500トン程度増加すると推測している。このため、同港の1バース当たりの貨物取扱能力は、現在より月平均最大31万5000トン程度増強される見込みとなっている。
(参考)パラナグア港は、貨物取扱量国内第2位。鶏肉などの輸出量が国内最大で、近年は、砂糖の取り扱いも大幅に伸びている。コンテナターミナルの民営化などを進めており、主要港の中で最も物流が改善されていると言われる。
写真 パラナグア港のコンテナターミナル ガントリークレーンは中国製