ブラジルの通貨レアルは2月16日、2015年6月19日以来約1年8カ月ぶりの高値(1米ドル=3.051レアル)を記録した(図)。
レアルの為替相場は、2014年末以降、ブラジルの経済低迷や汚職などから、大幅なレアル安米ドル高が進行した。しかし、2016年3月から、ルセフ前に対する政権交代への期待感が高まりレアル高米ドル安基調に転換して以降、テーメル現政権下では、各種経済指標も上向きつつあることを受け、レアル高米ドル安基調で推移している。
こうした為替相場は、大豆の国際相場が堅調に推移している一因との声が聞かれる。ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月9日、2016/17年度の大豆生産の増加見通しを上方修正したものの、シカゴ商品取引所の大豆相場はブラジルレアルの先高感やアルゼンチンの大豆減産懸念などを受けて、堅調に推移している。
なお、現地報道によると、同国の経済アナリストは、米連邦準備制度理事会(FRB)が2017年中に利上げを行うとの見通しから、レアルが売られてドルが買われる構図を予想しており、レアル安に反転する可能性を指摘している。