アルゼンチン政府は2月16日、北部の大豆生産者に対して、現行の大豆輸出税30%のうち5%分の戻し減税を行うことを官報に掲載した。具体的には、経済水準が低いとされる北部10州(図参照)の大豆生産者に対して、2017年3月1日〜8月31日に輸出用に出荷された大豆に対し、1戸(または1企業)当たり最大2000トンを上限に、輸出税30%のうち5%を還付する計画(参考)である。
ブエノスアイレス穀物取引所(BOLSA)によると、同国の2016/17年度(9月〜翌8月)の大豆作付面積(1920万ヘクタール)のうち、北部の割合は12%程度とされ、農産業省(MINAGRI)は、今回の還付対象の大豆生産者は2950者程度、対象数量は同エリアで生産される大豆の半分程度と見込んでいる。なお、還付金は、各月における大豆1トン当たり月別平均輸出価格(FOB)の 5%相当を単価として、対象数量に応じて支払われる見込みである。
北部地域の生産性は、中部に広がる肥沃なパンパ地域と比べて低水準にとどまっており、地理的にも港から遠隔地に位置していることなどから競争力が乏しいとされている。
(参考)マクリ政権は2016年10月、税収不足を理由に最大輸出品目である大豆の輸出税を2017年末まで30%に据え置くことを発表した際、北部の大豆生産者に対しては、割高な輸送費を相殺するための措置として輸出税5%分の還付を実施する方針を示していた。