2016年の生乳生産量、10年前比16.9%増に(米国)
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2月21日に公表した「Milk Production」によると、2016年の米国の生乳生産量は、10年前の2006年と比べ16.9%増の9635万9000トン(前年比1.8%増)となり、過去最高記録を更新した(図1)。
同レポートによると、同年の搾乳牛飼養頭数は932万8000頭(同0.2%増)、1頭当たり乳量は1万330キログラム(同1.7%増)と、いずれも増加した。これらの背景としては、2015年後半以降、穀物の豊作により飼料穀物価格が比較的安価に推移したことで生産者の増産意欲が高まっていることなどが挙げられる。
同年の生乳生産量を主要州別にみると、最大生産州であるカリフォルニア州は1835万6000トン(前年比3.4%減)と2年連続で減少し、全米に占めるシェアも、2000年以来15年ぶりに20%を下回った前年からさらに低下し19.0%となった(図2)。一方、生乳生産量が第2位のウィスコンシン州は1366万4000トン(同3.8%増)と、2004年以降増加傾向で推移している。なお、第3位と第4位を争うニューヨーク州とアイダホ州のシェアは、近年、いずれも7%程度で推移している(表1)。
また、同レポートによると2016年の酪農家戸数は前年比4.0%減の4万1809戸となった(図3)。州別にみると、最も多いウィスコンシン州は9520戸(前年比3.8%減)であり、最大生乳生産州のカリフォルニア州は1420戸(同1.4%減)と第7位であった。なお、前年から酪農家戸数が増加した州はなかったものの、アイダホ州(520戸)やワシントン州(480戸)など16の州は前年と同数であった。
【調査情報部 平成29年2月24日発】
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