砂糖の2015/16年度の生産実績および2016/17年度の見通しを公表(タイ)
最終更新日:2017年2月27日
タイ農業協同組合省農業経済局は先ごろ、2017年の主要農産物の生産見通しを公表した。このうち、砂糖の2015/16年度の生産実績および2016/17年度の見通しは以下の通り。
2015/16年度の砂糖生産量はかなり減少
2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)のサトウキビの収穫面積は143万ヘクタール(前年度比1.7%増)となった(表1)。一方、干ばつや白葉病の影響でサトウキビの生育不良が見られたことなどから、生産量は9414万トン(同11.5%減)、単収は66.0トン(同13.0%減)と、ともにかなり減少した。このため、砂糖生産量も979万トン(同13.7%減)とかなり減少した。
また、同年度のサトウキビの期首価格(注)は1トン当たり808バーツと前年度の期首価格に比べ10.2%下回った(表2)。なお、国際砂糖価格低迷時などに生産者に追加で支払われる補てん金は、前年度と同額の同160バーツであった。
一方、2016年の砂糖消費量は、260万トン(前年比4.8%増)となった(表3)。これは、景気が上向き、投資が拡大するなどにより、飲食業界など業務用需要が増加したことによる。砂糖輸出量は719万トン(同5.3%減)、砂糖輸入量は2500トン(同5倍)と見込まれている。なお、輸入される砂糖のほとんどは、国内で製造されていない特殊糖である。
2016/17年度の砂糖生産量はかなり増加の見込み
2016/17年度のサトウキビの収穫面積は145万ヘクタール(前年度比1.8%増)、生産量1億515万トン(同11.7%増)、単収は72.5トン(同9.7%増)と、いずれも前年度からの回復が見込まれる。これは、政府による適地適作奨励、製糖工場による生産者へのサトウキビ栽培促進、苗用サトウキビの品質向上や肥培管理技術の向上、水源確保の進展に加え、平年並みの降雨があり天候条件が良いことなどによる。こうしたことから、砂糖生産量も、1094万トン(同11.7%増)とかなりの増加が見込まれている。
また、同年度のサトウキビの期首価格は、サトウキビ・砂糖委員会(TCSB)が検討中であるが、前年度からの増額が見込まれている。
一方、2017年の砂糖消費量は、前年並みの260万トンと見込まれている。砂糖輸出量は、砂糖の増産により需給が緩和するため、844万トン(前年比17.4%増)と大幅な増加が見込まれている。また、砂糖輸入量は2500トン(前年同)と見込まれている。
(注)基準糖度10CCS(可製糖率。サトウキビのショ糖含有率、繊維含有率および搾汁液の純度から算出される回収可能な糖分の割合。日本の品質取引に用いられる甘しゃ糖度に回収率(結晶として回収し得る砂糖の割合)を掛けたもの)のサトウキビの価格。TCSBが毎年度の砂糖販売による全体の収益を算出し、サトウキビの予想生産量で除して0.7を乗じた価格で、閣議での審議を経て承認後、収穫前に公表される。期末価格は、年度終了後の実績に基づき決定される。
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