2017年のベトナムの野菜・果物輸出額、大幅増の見込み
最終更新日:2017年3月1日
ベトナムの政府機関であるベトナム貿易促進局(Vietnam Trade Promotion Agency)は2月、ベトナム野菜果物協会の声明などを引用する形で、2017年の同国の野菜と果物の輸出額見込みについて発表した。
同協会によると、2017年のベトナムの野菜と果物の輸出額は、30億米ドル(3420億円:1米ドル=114円)に達する見込みである。ベトナムの同輸出額は近年10億米ドル(1140億円)を下回っていたが、2016年に25億米ドル(2850億円)まで増加しており、これは、同国の主要農産物であるコメやこしょう、天然ゴムを上回る輸出額となっている。
輸出先については、豪州、ニュージーランド、チリに加え、米国、日本、韓国、台湾など厳しい市場への輸出拡大が進んだことを強調している。こうした輸出拡大は、厳しい検疫条件、食品安全基準、原産地規則などへの対応が主な要因としている。一方、別の専門家の話として、長期的な課題として、気候変動への対応や農地集積、輸出先国の技術的な参入障壁などを挙げている。
以上の状況を踏まえた上で、ベトナムの主な輸出企業の話として、今後ベトナム各社は、ドイツ、フランス、ロシア、日本などの国際的な展示会に参加して、輸出市場をさらに拡大することが重要であるとしている。また、政府が、加工企業との連携を通じて、産地開発を進めることの必要性も指摘している。
なお、日本がベトナムから輸入している主な野菜は、生鮮にんじん、冷凍ほうれんそう、塩蔵きゅうり、酢調製しょうがなどである。ただし、いずれも最大の輸入先である中国産に比べて数量は少ない(表)。
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