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南欧の野菜生産、欧州北部に続き気象条件悪化の影響が深刻化

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最終更新日:2017年3月1日

 欧州の野菜・果物の加工産業を代表するPROFEL(欧州野菜果物加工業者協会)は2月、欧州の野菜生産環境の悪化についての声明を発表した。同協会はすでに2016年9月、英国、フランス、ドイツ、オランダなど欧州北部を中心とした野菜生産環境の悪化について発表しており(注1)、今回は、欧州北部の野菜生産の減少による影響に加え、南欧の野菜生産環境悪化にも焦点を当てている。
 
(注1)「欧州の野菜生産、気象条件悪化の影響が深刻化」を参照。

欧州北部の野菜生産減少、冷凍野菜生産に打撃

 まず、既報の欧州北部の野菜生産の減少について、冷凍野菜加工産業が打撃を受けているとしている。具体的には、冷凍野菜加工産業における各野菜の必要量に対する不足割合は、リーキ(西洋ねぎ)が30%、キャベツが10%、芽キャベツが30%に達しているとしており、農場での生産悪化が加工産業へ及ぼしている影響について、懸念を示している。

スペイン、イタリアの野菜生産、気象条件の悪化により深刻な影響

 さらに、今回は、南欧(スペイン、イタリア)の動向について、まず、2016年夏の記録的な高温以来、スペインの野菜生産環境はさらに悪化しているとしている。主産地における12月の記録的な降雨と洪水、2017年1月の低温と降雪の影響により、ブロッコリー、カリフラワー、ほうれんそう、ズッキーニ、アーティチョーク(注2)、なす、ロマネスコ(注3)の生産が深刻な影響を受けているという。特にブロッコリーやカリフラワーは、収穫の半分が廃棄され、一部のアーティチョークは、凍結する事態となっているとのことである。
 また、イタリアにおいても、中南部を中心に1月の降雪と降霜により、アーティチョーク、カリフラワー、ブロッコリー、ほうれんそう、セルリー、フェンネル(注4)を中心に深刻な影響が見られ、特にブロッコリーとカリフラワーの単収は40〜45%減少しているとしている。
 

(注2)キク科の一種でつぼみを食用とする。
(注3)カリフラワーの一種。
(注4)セリ科の一種で香辛料やハーブとして利用される。



【根本 悠 平成29年3月1日発】
 
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