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2016年の生鮮野菜小売動向(米国)

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最終更新日:2017年3月2日

 米国生鮮青果物協会(United Fresh Produce Association)が2月27日に公表した「FreshFacts® on Retail」によると、2016年の米国の生鮮青果物小売実績は、販売額、販売量ともに前年をわずかに上回った。このうち野菜は、1店舗当たり週間販売額が2万2461米ドル(前年比3.3%増)、同販売量が6549キログラム(同1.5%増)であった(表1)。
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 生鮮野菜の販売動向を品目別に見ると、パックドサラダ、付加価値野菜、カット野菜など、消費者にとって利便性の高い商品の販売が好調である(表2)。なお、品目ごとの商品の概要は表3の通りである。
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 パックドサラダの販売額について、より細かな内訳をみると、2015年にもっとも多かったサラダブレンドは、24.8%を占めたものの、前年から2ポイント縮小した。また、プレミアムガーデンサラダやレギュラーガーデンサラダも、それぞれ前年をわずかに下回った。一方、ドレッシングなどが添付されているコンプリート/キットは前年比4.0ポイント増と、最も大きく伸長し、最大となった(図)。なお、パックドサラダにおける各細目の概要は表4の通りである。
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写真 小売店におけるパックドサラダ販売の様子
写真 小売店におけるパックドサラダ販売の様子
 さらに、付加価値野菜についても詳細をみると、細目別小売動向は表5の通りとなった。品数が増加傾向にあることなどから、販売額は堅調に推移しており、特にミールプレップの1店舗当たり週間販売額は341米ドルと、前年を11.7%上回った。また、米国生鮮青果物協会によると、にんじんやマッシュルームなどは、表2のように単品の野菜としては売り上げが振るわなかったものの、付加価値野菜としては前年を上回っており、消費者の簡便性指向が反映されているとみられている。なお、付加価値野菜の細目別の概要については表6の通りである。
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オーガニック野菜の小売動向

 2016年のオーガニック生鮮青果物の販売額は44億6000万米ドルと前年を13.2%上回ったが、それでも生鮮青果物全体に占める割合は9%にすぎない。しかし、前年比増加額の約30%はオーガニック青果物が占めており、オーガニックの需要が堅調であることがうかがえる。オーガニック青果物のうち野菜は、1店舗当たり週間販売額が2608米ドル(前年比10.4%増)、同販売量が423キログラム(同10.9%増)と、前年をかなり上回った(表7)。
 また、同年のオーガニック食品の小売動向を品目別に見ると、1店舗当たり週間販売額が最も大きかったのはパックドサラダで、948米ドル(同6.1%増)であった(表8)。
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(参考)
・2015年9月『野菜情報』、「米国のカット野菜などの生産・消費動向と契約取引状況」
 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/tokusyuu/1509/tokusyuu_05.html
・2014年11月『野菜情報』、「多様化する米国カット野菜の販売」
 https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/tokusyuu/1411/tokusyuu_05.html
 
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:野田 圭介)
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