現地報道によると、2016/17年度(10月〜翌9月)の大豆の収穫が進展し、港への輸送が徐々に本格化する中、最大の大豆生産州であるマットグロッソ州と北部パラー州の港をつなぐ国道163号線が大雨による影響で混乱している。
これについて、ブラジル植物油工業協会(Aboive)は、国道163号線では、降雨によるぬかるみの影響で渋滞や事故等が発生し、1日に約40万ドルの損害が発生していると指摘している。また、連邦自動車道警察によると、該当区間で修復工事が行われているものの、大豆を満載した3000台のトラックが立ち往生している影響もあって、工事がスムーズに進んでおらず、ごくわずかなトラックしか通行出来ていないとのことである。
運輸港湾民間航空省の輸送インフラ部(Dinit)によれば、全長1006キロメートルの国道163号線のうち、約100キロメートルが依然として未舗装でぬかるみやすい状態にある。Dinitは、全面が舗装されるのは2018年と見込んでいるが、これまでも計画が大幅に遅れていることを受け、関係者からは懐疑的な見方が強い。
国道163号線は、マットグロッソ州と、パラー州のアマゾン支流タパジョース川沿いのミリチトゥバ港をつなぐ幹線道路である(図)。ブラジルのアグリビジネス部門の主要企業であるBunge、Cargill、Hidorovias do Brasilなどがミリチトゥバ港にターミナルを保有しており、これらのターミナルからは、主に下流のバルカレナ港まではしけで輸送され、輸送コストの低減に貢献しているとされる。ミリチトゥバ港の各社ターミナルには2月18日以降、新穀の到着が報じられているが、混乱に伴う影響で搬入作業は滞っており、収穫作業が例年よりも順調に進み過去最高の豊作が見込まれる中、早期の正常化が待ち望まれている。