バターの卸売価格は、EU域内需要と米国国内需要により堅調に推移し、さらに2016年後半の生乳減産によりEU産バターはひっ迫基調となり、12月には記録的な価格となる1トン当たり4300ユーロとなった。しかしながら、その後は前年を大きく上回りながらも生産ピークとなる春に向けて緩やかに
下落している。
2016年のバター生産量は240万トン(前年比2.7%増)となり、うち21.1万トン(同23%増)が輸出された。主な輸出先は、米国、サウジアラビア、エジプトである。米国、南米の輸出減とニュージーランドの停滞により、EUのバターは輸出市場シェアを上昇させて24%となった。
EU域内のバター消費量は、3年連続で上昇し2%増となった。調整保管(民間在庫補助=PSA)の実施により2万4700トンが市場隔離されているが、これらが市場に放出されると消費がさらに増加すると見込まれる。
2017年の生産量は、需要が後押しして1.2%増と予測される。