2016年のベルギーのばれいしょ加工品生産、記録的な水準
最終更新日:2017年3月31日
ベルギーのばれいしょ流通・加工業界を代表する協会であるベルガポム(belgapom)は3月21日、2016年のばれいしょ加工品の生産動向などについて発表した。
なお、ベルギーは、日本にとって米国に次ぐ冷凍ばれいしょの輸入先である。
2016年は記録的な生産量に
2016年のベルギーのばれいしょ加工品の生産量は、冷凍フライドポテトが168万トン(前年比14.3%増)、冷蔵フライドポテトが23万4700トン(同3.5%増)、その他(ポテトチップス、マッシュポテト、ポテトフレークなど)が46万8513トン(同1.7%増)と、いずれも前年を上回る記録的な数量となった。冷凍フライドポテトを中心にEU域外への輸出が好調であったことが要因とされている。また、業界における長期的な研究開発への投資も生産拡大に寄与したとされている。
東南アジア市場を重視
ベルガポムは、発表の中で、ベルギーの農産物販売促進活動を行う団体であるVLAMによる、東南アジアでの大規模な販売促進活動の計画を紹介している。VLAMは、東南アジア諸国、特にベトナム、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンを将来的なばれいしょ加工品の重要市場と位置づけている。その要因として、これらの国々では、中間所得者層の拡大と北米のファストフードチェーンの影響から、フライドポテトが人々になじまれていることを挙げている。本計画では、欧州委員会などの支援も受けつつ、今後3年間、300万ユーロ(3億6600万円:1ユーロ=122円)を投じ、販売促進活動を行う予定となっている。
一方、懸念事項として、ベルギーは、南アフリカやブラジルからアンチ・ダンピング措置を受けた経験を踏まえ、国際的に広まっている保護主義的な気運の高まりを挙げている。そのため、ベルガポムは、供給チェーンの確立や持続的な市場拡大により、ベルギーのばれいしょ産業をより強固なものとすることの重要性を欧州委員会に訴えることを強調している。
【根本 悠 平成29年3月31日発】
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