乳業メーカー、2016/17年度上半期は増収増益(NZ)
NZ最大の酪農協であるフォンテラ社は3月22日、今年度(2016/17年度、8月〜翌7月)の上半期(8月〜翌1月)の業績を発表した。これによると、売り上げは前年同期比4.6%増とやや増加し、92億4100万NZドル(7392億8000万円:1NZドル=80円)となり、税引き後純利益も同2.2%増とわずかに増加し、4億1800万NZドル(334億4000万円)と、「力強い結果となった」(同社会長)としている(表)。
これについて同社は、粉乳などの原材料部門から、より付加価値の高いチーズなどの消費者・外食向け部門への生産シフトが奏功したためとしている。同部門は、売上額の3割を占めるまでに拡大しており、海外市場、中でも中国や豪州での売れ行きが好調であるとしている。
一方、集乳量は、国際相場の低迷に伴う酪農家の増産意欲の減退や、春先の天候不順の影響を受け、前年同期比7.0%減とかなりの程度減少した。しかし同社は、秋にかけて天候が持ち直していることから、今年度の最終的な集乳量は、前年度比3%減程度まで持ち直してくるとみている。また、天候等の動向次第ではあるものの、国際相場が回復基調にあることから、生産者乳価(乳固形分1キログラム当たり6NZドル(480円))と配当(1株当たり0.4NZドル(32円))については、現在の見通しを維持できる公算が高いとしている。
また、南島に拠点を置く独立系乳業メーカーの1つであるシンレイ社も29日、今年度上半期の業績を発表した。これによると、売り上げは4374万NZドル(35億円、前年同期比4.9%増)、税引き後純利益は1061万NZドル(8億5000万円、同3.6%増)と、ともに前年同期を上回る結果となった。同社はこの要因について、主力事業である育児用粉乳部門が好調であったためとしている。今後、中国を中心として、世界的に高い需要が翌年度にかけて続くとみられることから、同社は製造能力の増強を図りたいとしている。
【竹谷 亮佑 平成29年4月5日発】
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