豪州のサトウキビ生産地域、過去6年で最大勢力のサイクロンに見舞われる
最終更新日:2017年4月6日
3月28日、過去6年で最大勢力のサイクロン「デビー」が豪州北東部を直撃し、マッカイなどのサトウキビ主要生産地域を襲った。
サトウキビ生産者団体Canegrowersが同月31日に発表した第1回被害状況調査によると、クイーンズランド(QLD)州のサトウキビの損失額は、1億5000万豪ドル(132億円〈3月末日TTS:1豪ドル=88円〉)と見込まれている。
QLD州のロッキーポイント、バンダバーグ、アイシス、メアリーバラやニューサウスウェールズ州のサトウキビ生産地域は、サイクロンの直撃は免れたものの、洪水などの被害を受けたとみられる。
例年、サトウキビの収穫作業は6月ごろから始まるが、サトウキビが折れ曲がる、根こそぎ引き抜かれるといった被害が発生しており、収量が低下する恐れがあるほか、伸長が進んでいるサトウキビが複数の方向へ倒伏したり、圃場に泥やごみが流れ込んだりしていることから、作業経費の増加が危惧されている。
製糖工場やバルクシュガーターミナルは、深刻な被害を受けていないとみられているものの、製糖工場へサトウキビを運搬する鉄道や貨車が被害を受けると工場稼働時期の遅れも懸念される。このため、Canegrowersは、これらのインフラ設備についても被害状況の調査も進めている。
なお、QLD州政府は4月2日、今回のサイクロン被害を受けた生産者を支援するため、緊急的な作物の移送などに掛かる費用の補助(上限5000豪ドル〈44万円〉)や低利融資(上限25万豪ドル〈2200万円〉)などを措置すると発表している。
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