NZ1次産業省、畜産物需給見通しを公表(NZ)
ニュージーランド(NZ)一次産業省は4月5日、2016/17年度(以下「今年度」)(注)および2017/18年度(次年度)の、一次産品の需給見通しを公表した。このうち、乳製品と牛肉の需給見通しについては、以下の通り。
(注)生乳生産量と生産者乳価は、6月〜翌5月。それ以外は7月〜翌6月。
【乳製品】生産環境の好転により増産、国際市況の回復により輸出額は増加
今年度(生乳生産量は6月〜翌5月)の生乳生産量については、春先の多雨に伴う牧草生育環境の悪化やサイレージ生産の減少に加え、直近2年度にわたって続いた低乳価を受け、酪農家が補助飼料の給与に消極的だったことなどから、前年度比2.5%減が見込まれている。しかし、次年度は、良好な天候が見通されていることなどから、同3.3%増と回復するとしている。
生産者乳価については、国際市況が持ち直していることを受け、今年度は乳固形分1キログラム当たり6.41NZドル(506円、1NZドル=79円)、次年度は同6.65NZドル(525円)と、直近2年度の低乳価から大幅に回復するとしている。
今年度の乳製品輸出額は、国際市況の持ち直しを受け、144億5000万NZドル(1兆1415億円、前年度比8.7%増)と、増加が見込まれている。2016年12月に発表された見通しと比べると、秋以降の良好な天候を受け、生乳生産が回復してきたことから、わずかに上方修正された。2016年の中国の全粉乳輸入量が、前年比20.9%増と大幅に増加するなど、乳製品需要が世界的に回復していることから、国際市況は今後も安定的な推移が見込まれるとしている。
【牛肉】乳牛の淘汰減に伴い牛肉生産は減少、輸出も減少の見込み
今年度の牛肉生産量については、60万5000トン(前年度比10.4%減)とかなりの程度減少すると見込まれている。低乳価により増加していた乳牛の淘汰が一段落したことや、牧草生育環境が悪化したことなどが、主な要因とみられる。
また、今年度の牛肉輸出額は、生産減に加え、米ドルや英ポンドに対してNZドル高で推移する為替相場の影響もあり、25億8000万NZドル(2038億円、16.6%減)と大幅な減少が見込まれている。
【竹谷 亮佑 平成29年4月7日発】
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