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2016/17年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は4月11日、2016/17年度(10月〜翌9月)第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
 これによると、主要穀物の作付面積は前年度をやや上回り、生産量はエルニーニョ現象による干ばつ被害で不作であった前年度を大幅に上回ると見込まれている(表1)。
 トウモロコシは、前年度の干ばつにより需給が逼迫したことを受けて作付面積が増加する上、単収の増加見込みにより、前年度比約4割増の9000万トンを上回る生産が予測されている。また、大豆も、作付面積の微増や単収の回復見込みにより、初めて1億1000万トンを超える予測となっている(図1)。
 なお、今回の公表で、2016/17年度の大豆・トウモロコシの生産量予測は、4回連続で上方修正されたこととなり、記録的な増産が見込まれている。(図2)
表1
図1

トウモロコシ生産量、前年度から大幅増を見込む

第1期作生産量、前年度比15.9%増

 第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比15.9%増の2986万1100トンを見込んでいる(表2)。多くの主産地で生育期に一定の降雨を記録したほか、害虫被害も非常に少ない状況を受け、前回報告から56万トン程度上方修正された。
 なお、作付面積は、国内相場高を受けて、作付け前には顕著な増加が予想されていたが、前年度の干ばつの影響で十分な利益を得られず資金難に陥った生産者が収益性に勝る大豆を選択したことなどから、3.7%増にとどまる見通しとなっている。
 主要生産州(上位5州)で見ると、作付面積、単収ともに良好なため、生産量は同13.0%増の2190万トンと予測されている。
表2
 

第2期作生産量、前年度からの大幅な回復を見込む

 第2期作トウモロコシの生産量は、単収が干ばつで大幅な低下を記録した前年度から回復するため、前年度比51.1%増の6160万7400トンを見込んでいる(表3)。
 地域別では、パラナ州の一部で大豆の収穫や第2期作トウモロコシの播種が遅れているとされていたが、大きな問題は発生せず、その他の地域でも良好な生育が報じられている。
表3

マトピバ地域の生産量、干ばつ被害からの回復は道半ば

 CONABは、新興農業開発地域である北東部を中心としたマトピバ地域のトウモロコシ生産量を、エルニーニョ現象に伴う干ばつで大幅に落ち込んだ前年度からの回復を見込んで、前年度比66.1%増と予測している(表4)。
 しかしながら、同地域は、前年度の深刻な干ばつ被害により経営が厳しい農家が多く、肥料や農薬の投入が十分なされないため、単収が平年と比べると低水準にとどまる見込みである。中でも同地域最大の生産量を誇るバイーア州の単収は、12月〜翌1月に降雨が少なかったこともあって、低水準が見込まれている。このため、生産量は、前年度からは大きな回復が見込まれるものの、2014/15年度の水準(636万トン)には及ばない予測となっている。
表4
参考1

大豆生産量、過去最高を見込む

 大豆生産量は、主産地で生育期の11〜12月に適度な降雨を記録したことを受けて、前回報告から255万トン程度引き上げられ、前年度比15.4%増の1億1016万トンと過去最高を見込んでいる(表1)。
 作付面積は前年度をわずかに上回る程度であるものの、単収は、エルニーニョ現象による干ばつなどで低下した前年度からの回復が見込まれている。加えて今年に入ってから多くの主産地において適度な日照と降雨が観測されていることから、生産者の期待値も高まっている。
 生育・収穫期にある主産地では、近年広く発生が続いているアジアさび病など病虫害に関心が集まっていたが、被害は例年よりも少ないということもあり、生産量は上位5州で8582万6000トンと前年度をかなり大きく上回ると予測されている(表5)。
表5

マトピバ地域の生産量、大幅な回復を見込む

 マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比72.7%増と前年度の大幅な減産からの回復が見込まれている(表6)。前年度の干ばつ被害を受けて経営が悪化した者が多いことから、他品目に比べ収益性に勝るとされる大豆を作付ける農家が多くなっている。
表6
参考2
【佐藤 宏樹 平成29年4月14日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9805