カンボジアのキャッサバ収穫面積、低価格にもかかわらず増加傾向
最終更新日:2017年4月26日
3月の現地報道(プノンペン・ポスト)によると、カンボジア農林水産省のデータとして、2016年のカンボジアのキャッサバ収穫面積は、77万1000ヘクタール(前年比34.3%増)と大幅に増加した。一方、キャッサバの取引価格は低調に推移しており、直近の乾燥キャッサバの取引価格は、1キログラム当たり400カンボジアリエル(12円:1リエル=0.03円)前後と、過去2年間で、半分近くにまで落ち込んでいる。
同報道の中では「不思議な現象であるが、生産者は、低調な価格推移に不満を示しながらも生産拡大を続けている。カンボジアでは、キャッサバはコメに次ぐ作付面積を有する第二の農産物である。同省としては、他作物への切り替えや輪作を推奨してきたが、生産者の意識を変えることは難しい。」との同省担当部局の代表者のコメントを引用しており、キャッサバ生産を取り巻く厳しい現状を紹介している。
一方、研究開発機関の関係者は、「生産者には、『キャッサバを生産する』という意識が常態化しているが、これには、他に自信を持って生産できる農産物がないという実態がある。それでも、安価での取引をもちかける仲介業者に依存するのではなく、公正な買付業者と取引すれば、より良い価格帯で取引できる。政府はそうした取引関係の構築を進めるべきである。」としており、単に生産者の作物選択の問題だけではない課題があるとみられる。
【根本 悠 平成29年4月26日発】
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