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肉牛農家の現金所得、2年連続過去最高を記録(豪州)

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 豪州農業資源経済科学局(ABARES)は5月18日、2016/17年度(7月〜翌6月)の肉牛農家の経営動向に関する調査結果を発表した。これによると、肉牛農家の現金所得は、肉牛取引価格の上昇により現金収入が増加したため、2年連続で調査開始以来の最高を更新する見込みとしている(表)。
 
 現金収入については、牛飼養頭数の減少と良好な牧草環境を背景とした需要の増加により、肉牛取引価格が高水準で推移していることから、販売頭数の減少を相殺してもなお前年度からさらに増加する見込みとなっている。
 一方、現金支出については、もと牛購入費を中心に多くの項目で増加するものの、借入金の利率の低下により支払利息が減少することなどで、わずかな増加にとどまっている。
 この結果、現金収入と現金収支の差で算出される現金所得は、2014/15年度から5割程度増加した2015/16年度をさらに12.5%上回り、2年連続で過去最高を記録する見込みとなっている。
 肉牛農家の多くは羊の飼養や穀物生産も複合的に行っているが、北部の経営は、南部に比べて肉牛販売額が経営において占める割合が高く、規模も大きいことから、南部より肉牛取引価格の上昇の恩恵を大きく受けることから、現金所得の増加幅も大きくなっている。

【大塚 健太郎 平成29年5月22日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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