豚肉の生産と輸出が好調に推移(メキシコ)
メキシコ農牧省農牧漁業情報局(SIAP)によると、2017年3月の豚肉生産量は、前年同月比4.0%増の11万2000トンとなった(表)。また、2017年第1四半期(1〜3月)の合計は、34万トンと前年同期を4.2%上回った。メキシコの豚肉生産は、国内外の豚肉需要の高まりにより、拡大傾向で推移している。
メキシコ最大の養豚企業であるグランハ・カロル社は2017年4月、豚肉生産量第3位のプエブラ州に新たな豚舎を建設した。同豚舎は、1万頭の母豚を飼養し、年間20万頭の肥育豚生産が可能で、メキシコで2番目に大きい規模となる。
メキシコ税関管理局によると、同年第1四半期の豚肉輸出量(製品重量ベース)は、前年同期比22.5%増の2万9000トンと前年同期を大幅に上回った。輸出先別に見ると、最大の輸出先である日本向けが同21.1%増の2万2200トン、韓国向けが同47.6%増の3300トンと大幅に増加した。このほか、米国向けが同2.3%増の2500トン、カナダ向けが同35.8%増の300トンと増加し、前年同期に実績のなかった中国にも57トンが輸出された。
メキシコ農牧農村開発漁業食糧省(SAGARPA)は、中国向けについては、月間輸出目標を豚肉750トンと牛肉200トンとしている。4月下旬には、中国の輸入業者の訪問団が、日本や韓国へ豚肉輸出を行っているユカタン州のケケン(KEKEN)社の工場などを視察した。SAGARPAの担当官は、訪問団との会合の中で、新たな市場の開拓につながる手続きを進めていくとした。
同国は現在、市場の多様化という新戦略の下、ロシア、タイ、ベトナムおよびカリブ諸国と豚肉輸出に向けた協議を続けているとされ、養豚生産者団体は、特に豚肉の大きな消費国であるタイおよびベトナムについて期待を寄せている。
【渡邊 陽介 平成29年5月26日発】
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