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フィードロット飼養頭数、100万頭を突破(豪州)

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 豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は5月23日、共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2017年1〜3月期)を公表した。これによると、2017年3月末のフィードロット飼養頭数は、101万6475頭(前年比11.1%増、前回比8.6%増)と大幅に増加し、調査開始以降初めて100万頭を突破した(図)。
図 フィードロット飼養頭数と稼働率の推移
 ALFAは、飼養頭数の増加について、牛群再構築に伴いもと牛価格が高値で推移している中、飼料穀物が安値基調で推移していることを受け、フィードロットでは、飼料穀物の給与量を増やすとともに肥育期間を延ばし、出荷体重を増加させることで、収益性を高めていることが背景にあるとしている。
 MLAによると、前回調査時と比較すると、肥育もと牛価格の急騰は終息しつつあるものの、前年同期比ではなお1割近い高値となっており、肥育もと牛の確保をめぐって、牧草肥育農家との競合関係は続いているとしている。
 飼養頭数を州別に見ると、最も飼養頭数が多いクイーンズランド州をはじめ、いずれの州も前回比では増加しており、特に南オーストラリア州や西オーストラリア州の増加率が高くなっている(表)。また、規模別に見ると、1万頭以上を飼養している大規模なフィードロットでの頭数増が目立った。
表 州別フィードロット飼養頭数
 ALFAは、飼養頭数の増加が続いていることに対し、フィードロットによる穀物肥育は、「干ばつにより牧草生育が悪化した際の一時的な退避先・緩衝材」という位置づけではなく、「牛肉サプライチェーンの一端」を立派に担うまでに成長したと述べており、穀物肥育牛肉生産の将来性に対し、自信を深めている様子がうかがえる。
【竹谷 亮佑 平成29年6月1日発】
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