売渡入札は、生産者団体から、価格が十分に回復しておらず時期尚早であるとの批判がある中でのスタートであった。欧州委員会は、35万トン強(EU年間生産量の3分の1に相当)の公的在庫を抱え、また、売渡入札開始後にも7937トンの公的在庫が積み増されている中、一連の売渡入札の目的は在庫の削減ではなく、あくまで需給バランスの均衡と価格の回復であるとし、これまでは売渡最低価格を安易には引き下げず、今回の落札価格以上の応札も不落としていた。
次回入札は7月18日に実施される予定である。欧州乳製品輸出入・販売業者連合(Eucolait)は、今回の入札で4カ月ぶりに公的買入価格を上回る応札があったことや欧州委員会が売渡価格を引き下げたこと、また、最近の脱脂粉乳価格の上昇などが次回の入札に影響を与えることは間違いなく、その結果を注視したいとコメントした。欧州委員会は、膨大な公的在庫について、生活困窮者への食糧支援のために使用する枠組みの検討
を開始したとされており、EUの脱脂粉乳公的在庫をめぐる今後の動向には、関係者から注目が集まっている。