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ブラジル最大の養鶏・養豚イベント「SIAVS」が開催

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 8月29日から31日にかけて、サンパウロ市で、ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)主催によるSIAVS(国際養鶏・養豚展示会)が開催された。 SIAVSは、2年に1回開催されるブラジル最大の養鶏・養豚イベントであり、鶏肉・豚肉のパッカー、飼料会社、畜産機器メーカー、種鶏会社などがブースを出展し、企業の概要や新商品を紹介する他、国内・国外の商社やバイヤーと商談できる場を設けている。また、イベントホール内の各会場では、生産技術や飼養管理など、さまざまなテーマにおいて専門家による講義が行われる。主催者発表によると、第3回目となる今回は、151企業がブースを出展し、来場者数は51カ国1万5300人であった。
写真:試食用のキッチントラック
写真:試食用のキッチントラック
写真:商談で賑わう会場
写真:商談で賑わう会場
 オープニングイベントでは、ブラジル農牧食糧供給省のブライロ・マッジ大臣が登壇し、「今年は食肉不正問題が発生したことで、輸出市場を失うのではないかという危機感があったが、主要な輸出先を維持することができた。これからは、生産や流通のシステムを再度見直し、品質や衛生面などをさらに向上させることで、将来的に『食肉不正問題を経験したからこそ、ブラジルの食肉業界は成長することができた』と言えるよう、努力していきたい」と語った。
写真:登壇するマッジ大臣
写真:登壇するマッジ大臣
 2日目には、世界の鶏肉・豚肉生産の動向と題し、アメリカ家きん鶏卵輸出協会(USAPEEC)のジム・サマー会長や、インターポーク(スペイン)のダニエル・ミゲル氏による講演が行われた。また、鶏肉生産トップ3の企業であるBRF社、JBS社、AURORA社の幹部が、各々の企業戦略を語り、今後のブラジル鶏肉産業の方向性についてディスカッションが行われた。その中で、生産量第1位のBRF社のアレシャンドレCEOは「業界のリーダーである我々が、どこよりも衛生検査を厳しくすることが必要である。その上で、さらに市場競争力を高めていくため、品質の向上や生産の拡大に努めていく」と語った。

 また、ブースでは、各企業が商談を進める他、一部鶏肉・豚肉パッカーでは、試食コーナーを設け、自社の商品をアピールしていた。ブースを出展していたある鶏肉パッカーは、「南米各国に加え、中国や韓国などアジア諸国からもバイヤーが訪れており、強い購買意欲が感じられた」と語った。また、同社をはじめ複数のパッカーから、今後、日本向けについては、もも肉の生産能力を高めるともに、ここ最近需要が高まっているむね肉にも対応していきたいとの声が聞かれた。

 今回のイベントは、ブラジルにおいて、食肉不正問題後初めての食肉の国際展示会であり、衛生面や品質面を強く言及する関係者が多かった。次回は2年後の2019年に開催予定である。
【佐藤 宏樹 平成29年9月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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