2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は10月10日、2017/18年度(10月〜翌9月)第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに、生産量はかなり下回ると見込まれた(表1)。
トウモロコシの生産量は、前年度における記録的な豊作で供給過剰となり、価格が大幅に下落したことから、第1期作を中心に前年度を下回るとみられている(図)。また、大豆についても前年度をかなりの程度下回るとしている。
トウモロコシ生産量、好調の前年度からの減産を見込む
第1期作、前年度比13.2〜17.8%減
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比13.2〜17.8%減の2502万〜2643万トンを見込んでいる(表2)。前年度の記録的な豊作によりトウモロコシ価格が下落したことで、作付を大豆にシフトした生産者が増えたことが要因と見られている。
主要生産州(上位5州)のうち、前年度生産量第1位だったリオグランデドスル州では、播種は進んでいるものの、今冬の高温の影響により害虫が多く発生したため、生産量は同11.3〜19.7%減の485万〜536万トンと予測されている。
第2期作生産量、前年度並みと予測も、不透明
今回の報告では、まだ作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされているため、単収や生産量もほぼ横ばいと予測されている(表3)。今後、春植えの夏期作物(大豆・トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に見通しが判明していく。
マトピバ地域の生産は大豆へシフト
CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を、トウモロコシから収益性の高い大豆へシフトすると見込まれることから、前年度比3.3〜5.0%減の591万〜602万トンと見込んでいる(表4)。
大豆の作付面積は前年度を上回る予測
大豆生産量は、前年度が良好な気候により記録的な豊作であったことから、今年度は前年度比5.1〜7.1%減の1億601万〜1億826万トンと見込まれている(表5)。
作付面積は、前年度をやや上回るものの、米国産穀物の豊作による価格低下の懸念から、マットグロッソ州など主要生産州で、生産拡大をためらう生産者も多いとしている。
トカンチンス州では州政府が中心となって投資を呼びかけ
マトピバ地域の大豆生産量について、前年度は、前々年度の大幅な減産から回復したものの、今年度は前年度比2.1〜5.7%減の1176万〜1223万トンと見込んでいる(表6)。このうち、トカンチンス州では、州政府が中心となって投資を呼びかけていることから、今後の作付面積の拡大が期待されている。
【佐藤 宏樹 平成29年10月16日発】
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