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農業・畜産・灌漑省がGAPに関するガイドラインを策定、IFCが発表(ミャンマー)

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 世界銀行グループの国際金融公社(IFC)は12月6日、ミャンマー農業・畜産・灌漑省(以下「農業省」という)がGAP(Good Agricultural Practice、農業適正規範)に関するガイドラインを策定したと発表した。今回のガイドライン策定の目的は、持続可能な農業を通じて農産物の生産性と農家の収益性の向上を高めさせることにあり、米、落花生、トマト、とうがらしなど15品目に適用される。

 農業省は、ガイドラインの実行にあたり、農家に対し、安全かつ高品質な農産物の生産方法などを指導するほか、研修会などを通じて持続可能な農業に必要な技術習得の支援も行う予定である。現地報道によると、ガイドラインには、農産物の品質管理、環境負荷の低減、食の安全、農家の健康や社会福祉などの内容が盛り込まれている。

 これに先立って、IFCと農業省は、北東部シャン州でGAPに関するワークショップを開催し、同州のインレー湖上などで野菜を栽培する300人の農家(うちトマト農家200人)が、水質に悪影響を及ぼす過度な農薬や肥料の使用を削減する方法について議論している。農業省は、多くの農家は、農薬などの使用方法に対する知識が乏しいため、湖の水質などを汚染するだけでなく、農家の健康にも悪影響を及ぼすことを懸念しており、GAPの実施により安全で持続可能な農業の技術を学ぶことは必要不可欠であるとしている。

 ミャンマーでのGDP(国内総生産)に占める農業の割合は年々減少してきているものの(表)、国民の過半数が農業に従事しており、特に農村部の約7割が農業で生計を立てているため、依然として農業は同国における重要な産業となっている。
 農業・畜産・灌漑相は、GAPに関するガイドラインは、農家の生活を向上させ、農業部門の発展を支援し、ひいては同国の経済を成長させることにつながるとしている。また、将来的には、農業分野全体にGAPを普及させたいと語っている。

(参考)
 IFCは、英国の国際開発省、豪州外務省、日本政府と共に農業省と協力し、農業分野の生産性と品質向上に関するプロジェクトを実施しており、その取り組みの一環として、GAPに関するガイドラインが策定された。<br>
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【青沼悠平 平成29年12月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:青沼悠平)
Tel:03-3583-4389