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乳牛の生体輸出、課徴金を法制化へ(豪州)

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 豪州家畜輸出業者協会(ALEC)は12月18日、乳牛の生体輸出に関する研究開発やマーケティングの財源として徴収している課徴金(レビー)注1が法制化されると発表した。

 豪州では、家畜の生体輸出に対する課徴金について、肉用牛や羊・山羊は法律に基づき連邦政府が徴収しているが、乳牛は、任意の取り組みのため、輸出業者が家畜の生体輸出に対する課徴金の管理・運営を行っているライブコープ(LiveCorp)注2に直接支払っていた。

  ALECは、課徴金単価を2006年の導入当時の乳牛1頭当たり3豪ドル(264円:1豪ドル=88円)から、2014年に同6豪ドル(528円)に引き上げたが、任意の取り組みであることから十分な徴収ができず、十分な研究開発やマーケティングを実施できないとし、5月に法制化に向けて動き出すと公表していた。

 豪州では、法制化するためには、連邦政府の法令に基づき、課徴金徴収対象者の大多数の合意を得る必要がある。このため、ALECは、11月の年次総会において、課徴金徴収対象者である家畜輸出業者による投票の実施を決定した。そして、12月18日までに80%の賛成を得られたとしている。

 法制化後は、課徴金は肉用牛などと同様、連邦政府が徴収し、ライブコープに交付され、乳牛の市場アクセスの改善、サプライチェーンにおける家畜衛生やアニマルウェルフェアの改善などに関する研究開発、技術的なサポートなどに使われる。

注1:課徴金は、生産者などから販売数量などに応じて徴収される資金で、マーケティングや研究開発などに用いられる。豪州の幅広い農業分野で導入されている。
注2:ライブコープは、肉用牛、羊・山羊などの生体輸出に係る課徴金などを財源にマーケティングや研究開発を実施している団体。
 
【大塚 健太郎 平成29年12月22日発】
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