2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第3回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は12月12日、2017/18年度(10月〜翌9月)第3回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに上回るが、生産量はやや下回ると見込まれた(表1)。
トウモロコシの生産量は、前年度の価格が記録的な豊作で大幅に下落したことから、第1期作を中心に前年度を下回るとみられている(図)。また、大豆についても前年度をやや下回るとしている。
トウモロコシ生産量、好調の前年度からの減産を見込む
第1期作、前年度比17.8%減
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比17.8%減の2505万トンを見込んでいる(表2)。前年度の記録的な豊作によりトウモロコシ価格が下落したことで、作付を大豆にシフトした生産者が増えたことが主な要因と見られている。
主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、2017年11月のトウモロコシ価格が前年同月と比較して約3分の2まで下落したことから、生産者の作付意欲が減退し、作付面積は前年度比32.9%減、生産量は37.5%減と共に大幅な減少が見込まれている。
第2期作生産量、前年度並みとの予測
今回の報告では、いまだ作付面積の予測は行われておらず、前年度並みに仮置きされているため、単収や生産量もほぼ横ばいと予測されている。今後、春植えの夏期作物(大豆、トウモロコシ)の生産状況を受け、徐々に生産見通しが公表されることとなる。
マトピバ地域の生産は大豆へシフト
CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を、トウモロコシから収益性の高い大豆へのシフトにより、前年度比1.4%減の614万トンと見込んでいる(表4)。しかし、マトピバ地域の最大生産州であるバイーア州では、北部地域における単収が前年度を上回るため、前年度比5.8%増の予測となっている。
大豆の作付面積は前年度を上回る予測
大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作となった前年度に比べ、4.3%減の1億918万トンと見込まれている(表5)。
主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、作付面積は前年度比3.9%増と見込まれているが、9月ごろの悪天候の影響で単収の減少が予想されており、生産量は前年度比8.5%減と上位5州で最大の減少幅となっている。
トカンチンス州では州政府が中心となって投資を呼びかけ
マトピバ地域の大豆生産量は、大幅な減産となった前々年度から回復した前年度を3.2%下回る1207万トンと見込まれている(表6)。このうち、トカンチンス州では、州政府が中心となって投資を呼びかけており、今後の作付面積の拡大が期待されている。
【佐藤 宏樹 平成29年12月27日発】
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