2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第5回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2月8日、2017/18年度(10月〜翌9月)第5回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)と、秋植えの冬期作物(第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。今回の報告から、第2期作トウモロコシの生産予測が行われている。
これによると、主要穀物の作付面積は前年度をわずかに上回るが、生産量はやや下回ると見込まれた(表1)。トウモロコシの生産量は、前年度記録的な豊作で価格が大幅に下落したことから、第1期作を中心に前年度を下回るとみられており、前回調査結果からやや引き下げられ、9000万トンを下回る予測となった(図1、2)。また、大豆についても、単収の低下により前年度をわずかに下回るとしている。
トウモロコシ生産量、好調の前年度からの減産を見込む
第1期作、前年度比18.8%減
第1期作トウモロコシの生産量は、前年度比18.8%減の2474万5000トンを見込んでいる(表2)。前年度の記録的な豊作によりトウモロコシ価格が下落したことで、作付を大豆にシフトした生産者が増えたことに加え、豊作だった前年度と比較して単収がかなり減少することが主な要因と見られている。
主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、トウモロコシ価格の下落による生産者の作付意欲の減退により作付面積が大幅に減少したことに加え、1月に大雨や日照不足が続いたことで単収の低下が見込まれることから、生産量は同39.5%減と大幅な減少が見込まれている。
第2期作も前年度からかなり減少
今回の報告から、第2期作トウモロコシの具体的な生産予測が公表されており、生産量は、前年度比6.1%減の6326万1600トンを見込んでいる(表2)。主要生産州のうち、マットグロッソ州では、価格安による生産者の作付意欲減退により、作付面積が前年度比5.9%減になると見込まれている。また、マットグロッソドスル州では、9月下旬〜10月上旬の干ばつと、12月中旬〜1月上旬にかけての大雨の影響で、大豆の収穫が遅れていることから、第2期作トウモロコシの作付も遅れているとしている。
マトピバ地域の生産は横ばい
CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を前年度比0.3%減の620万8100トンとほぼ横ばいで見込んでいる(表4)。マラニョン州では、近年農業の近代化が進んでいることに加え、同州のトウモロコシ価格が前年度より良好であることから、作付面積が同5.9%増となっており、生産量も同3.3%増と前年度を上回る見込みとなっている。
大豆の作付面積は前年度を上回る予測
大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作となった前年度に比べ、2.2%少ない1億1156万トンと見込まれている(表5)。
主要生産州(上位5州)のうち、パラナ州では、アジアさび病などの発生が報告されており、単収の低下が懸念されている。また、リオグランデドスル州では、12月から1月にかけての降雨不足により生育が進まず、粒の大きさが通常より小さくなっているとしている。
マトピバ地域の生産量は微減
マトピバ地域の大豆生産量は、大幅な減産となった前々年度から回復した前年度を3.5%下回る1203万トンと見込まれている(表6)。一方、作付面積はマラニョン州を中心に前年度を上回っており、前年度比4.1%増となっている。
【佐藤 宏樹 平成30年2月14日発】
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