アルゼンチンでは、ブエノスアイレス州、サンタフェ州、エントレリオス州、コルドバ州などのパンパ地域で穀物の生産が盛んに行われている。しかし、2017年11月以降、こうしたトウモロコシの生産地域の多くで高温および乾燥(干ばつ)が続いており、土壌水分の低下が懸念されている。これらの地域の降雨不足は、少なくとも2月下旬まで続くと見込まれている。
現地では、干ばつが続くことで、トウモロコシについて、
(1)生育期の水分不足により、成長が阻害され、単収が大きく減少する
(2)遅まきの地域では、は種が遅れており、作付自体ができなくなる
という懸念が広がっている。
また、米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は、2月8日に発表したトウモロコシの2017/18年度(3月〜翌2月)の見込みについて、生産量を4200万トンから3900万トンに、輸出量を2900万トンから2750万トンにそれぞれ引き下げている。
マクリ現政権の下、トウモロコシの輸出税(20%)が廃止され、「輸出志向型」の政策になったことで、生産者の生産意欲が拡大し、USDA/FASによると、2016/17年度の生産量は4,100万トンと、過去最高となった。2017/18年度についても、当初は前年度を2〜3%ほど上回ると予想されていた。今回の干ばつについては、一部報道によると、過去最悪と言われた2008/09年度に匹敵するとみられており、今後4〜5週間の気候が収量を大きく左右するとしている。今回の干ばつがどの程度影響を与えるのか、今後も注視していく必要がある。