フィードロット飼養頭数、100万頭を下回る(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2月20日、共同で四半期ごとに実施している全国フィードロット飼養頭数調査の結果(2017年10〜12月期)を公表した。これによると、2017年12月末のフィードロット飼養頭数は、97万3176頭(前年比4.0%増、前回比5.0%減)と前回調査時より減少し、2017年では初めて100万頭を下回った(図)。
州別にみると、飼養頭数の最も多いクイーンズランド(QLD)州が、51万8749頭(前年比4.1%減、前回比13.1%減)と最も大きく減少した。そのほか、ニューサウスウェールズ(NSW)州および南オーストラリア(SA)州は減少した一方、ビクトリア(VIC)州および西オーストラリア(WA)州では大幅に増加しており、州ごとに状況は異なっている。
ALFAは、減少の要因として、2017年10月にNSW州とQLD州で良好な降雨があり、牧草肥育業者を中心に肥育もと牛への需要が増加し、生体牛価格が上昇していることに加え、小麦や大麦などの穀物価格も、減産に伴い上昇していることにより、穀物肥育業者の収益が圧迫されていることを挙げている。
一方、フィードロットの収容可能頭数は、129万3623頭と前回調査時より1.21%増加しており、穀物肥育牛に対する需要は高く、穀物肥育業者が投資に積極的なことを表しているとしている。
一方、2017年10〜12月の穀物肥育牛と畜頭数は、70万8834頭(前年同期比14.6%増)とかなり増加した。その結果、2017年全体では、289万4030頭(前年比9.9%増)と、2015年に次ぎ過去2番目の水準となった。
ALFAによると、2017年の穀物肥育牛肉の輸出量は、27万2682トンと前年から5%程度増加しており、特に日本向けおよび中国向けが増加している。
【大塚 健太郎 平成30年2月27日発】
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