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2017年の牛乳乳製品需給(米国)

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輸出は堅調も、国内消費は停滞

 米国農務省(USDA)によると、2017年の牛乳乳製品貿易は、堅調な生乳生産を背景に輸入量が前年を下回ったのに対し、国際的な乳製品需要の高まりなどを受けて輸出量は前年を上回った(表1)。
 一方、国内消費量に関しては、乳脂肪ベースでは前年をわずかに上回ったものの、無脂乳固形分ベースでは前年を0.7%下回った。
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脱脂粉乳とホエイの輸出量は過去最多

  2017年の輸出量を品目別に見ると、原料乳製品部門が好調で、脱脂粉乳とホエイは、それぞれ60万8091トン、54万9018トンと、過去最多を記録した。また、チーズも前年を19.0%上回り、史上最多を記録した2014年に次ぐ水準となった(表2)。他品目も飲用牛乳・クリームを除き総じて堅調であったため、総輸出額は前年比13.8%増の54億8080万米ドルとなった。なお、上記3品目の輸出先別輸出量を見ると、脱脂粉乳とチーズではいずれもメキシコ向けが最大であり、ホエイは中国向けが約45%を占め、最も多かった。
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乳製品在庫が大きく積み増し、生乳増産ペースも鈍化

  生乳生産量と輸出は堅調に推移しているものの、国内消費が停滞していることから、バター、チーズおよび脱脂粉乳の期末在庫は過去最高の水準に達している。中でも脱脂粉乳は14万9900トンとなり、前年を46.5%上回った(図)。
 こうしたことから、乳価には下落の兆しがみられ、2017年1~11月にかけて前年同月を上回って推移していた全米平均乳価は、同年12月には100ポンド当たり17.2米ドルと前年同月を9.0%下回った。また、乳価の低下に伴う収益性の悪化から、生乳の増産ペースには鈍化傾向がみられ、生乳生産量は2017年通年で見ると前年比1.4%増となったが、同年9~12月では前年同期比1.1%増にとどまっている。
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【野田 圭介 平成30年2月27日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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