2017/18年度のばれいしょおよびばれいしょでん粉の生産量は前年度を上回る見通し(中国)
最終更新日:2018年2月28日
米国農務省(USDA)が2017年12月に発表した報告書などによると、世界最大のばれいしょ生産国である中国における2017/18年度(9月〜翌8月)のばれいしょ生産量は、前年度を5.2%上回る9700万トンとされている。これは、前年度が干ばつや葉枯れ病の影響を受けて減産だったことに加え、2017年春のばれいしょ価格が過去8年で最も高かったことなどにより、栽培面積が拡大したためである。
また、同年度のばれいしょでん粉の生産量は、ばれいしょ生産量の増加に伴い、前年度を20%上回る54万トンとされている。
2017年の生鮮ばれいしょの消費割合を見ると、家庭やレストランなどで消費される生食向けが62%と最も高く、次いで、家畜飼料向けが19%、でん粉や冷凍フライドポテト、ディハイ(乾燥)ポテトなどの加工向けが9%となっている(図1)。
なお、中国は昨年9月、これまでEU産ばれいしょでん粉に対し賦課していた相殺関税について、終了した場合中国国内産業が被害を受けると判断し、5年間延長したことから、ばれいしょでん粉の主要生産地域であるEUからの輸入量は引き続き低水準で推移するとみられる。
【参考】 中国におけるばれいしょ生産地域は、主に4つに分けられる。地域ごとの特徴は以下の通りとなっている(図2、3)。
北方一作区:中国全土の栽培面積の50%を占め、主に4月下旬から5月上旬に植え付け、9月から10月にかけて収穫する。
西南混作区:同35%を占め、主に9月から11月に植え付け、2月から4月にかけて収穫する。
中原二作区:同10%を占め、作型は春作と秋作がある。春作は2月から3月に植え付け、5月から6月に収穫し、秋作は7月から8月に植え付け、10月から11月に収穫する。
南方冬作区:同5%を占め、主に10月から11月に植え付け、2月から3月に収穫する。
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