国際情報コーナー 農畜産物全般、畜産、野菜、砂糖、でん粉の海外情報、輸出促進対策などの記事、統計

ホーム > 国際情報コーナー > 海外情報 > 海外情報(でん粉) > キャッサバの2016/17年度の生産実績および2017/18年度の見通しなどを公表(タイ)

キャッサバの2016/17年度の生産実績および2017/18年度の見通しなどを公表(タイ)

印刷ページ

最終更新日:2018年3月28日

 タイ農業協同組合省農業経済局は先ごろ、2018年の主要農産物の生産見通しなどを公表した。このうち、キャッサバの2016/17年度(10月〜翌9月)の実績および2017/18年度の見通しは以下の通り。

2016/17年度の生産量は前年度からわずかに減少

 2016/17年度の生産動向をみると、キャッサバ製品の輸出価格の低下に伴うキャッサバの生産者販売価格の低下により、収益性の高いサトウキビやトウモロコシ、パイナップルなどの作物に転作し、作付面積が減少したため、収穫面積は142万6000ヘクタール(前年度比1.7%減)、生産量は3093万6000トン(同0.7%減)と、ともに前年度を下回った(表、図)。
  一方、2017年の国内のキャッサバ需要は、エタノール向けやでん粉向けを中心に増加する見込みである。エタノール向けは2017年5月、キャッサバ由来エタノール協会が、キャッサバ価格の下支えのため、でん粉含有率の低い収穫後期のキャッサバをエタノール原料用として買い取るなど(注) 、キャッサバの利用を拡大する方針を明らかにしたことなどから大幅な増加が見込まれている。
  なお、現在、でん粉工場は同国内に117工場、キャッサバのみからエタノールを製造する工場は9工場ある。

(注)一般的に、エタノール製造工場は、でん粉含有率が低い収穫後期のキャッサバは買い取らない。

2017/18年度の生産量は前年度からかなり減少の見込み

 2017/18年度の見通しについては、1ヘクタール当たりの収量は、これまでのところ天候に恵まれており、22.1トン(前年度比1.8%増)と前年度をわずかに上回る見込みであるものの、収穫面積は129万2000ヘクタール(同9.4%減)と前年度をかなり下回ることから、生産量も2856万6000トン(同7.7%減)と前年度をかなり下回る見込みである。これは、前年度からの生産者販売価格の下落を受け、他作物への転作や耕作放棄があるためである。
 
 
【山下佳佑 平成30年3月28日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:調査情報部)
Tel:03-3583-9174