香港の投資会社、カンボジアに複数のでん粉工場を建設へ(カンボジア)
最終更新日:2018年3月28日
現地報道によると、香港の投資会社である緑領控股集団有限公司(Green Leader Holdings Group Limited)は1月、カンボジア農林水産省とタピオカでん粉工場への投資に関する覚書を締結し、今後3年間で10のタピオカでん粉工場を建設する。でん粉製造能力は、1工場当たり年間10万トン規模になる見込みで、設備投資額は1億5000万〜2億ドル(約162億〜216億円)に上るとされる。
カンボジアは、近年キャッサバの栽培面積、生産量、単収が急激に増加しており、今後タイやベトナムと競合する存在として注目されている(表1)。
生産量の拡大とともに、輸出量も増加しているが(表2)、国内にはでん粉工場が少ないことから、タイやベトナムと比べキャッサバが未加工のまま輸出されることが多く、輸出先から買いたたかれることが課題となっている。このようなことから、今後はでん粉に加工し、付加価値を付けて国内外へ供給することが期待されている。
今回の件についてカンボジア政府は、「緑領控股集団有限公司の投資は、農家の収入増や農村からの移住者の減少など、カンボジアの経済成長に貢献し、国に大きな利益をもたらすだろう」としている。
なお、緑領控股集団有限公司によると、輸出先の主なターゲットは中国であるが、EU、韓国、日本、米国も視野に入れており、今後は工場建設だけでなく、農家と栽培に係る契約を行い、種苗など必要な資材を供給するという。
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