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エタノール在庫保管に関する規則を変更(ブラジル)

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最終更新日:2018年3月30日

 現地報道によると、ブラジル天然ガス・バイオ燃料監督庁(ANP)は2月下旬、2018/19年度(4月〜翌3月)のエタノール供給に関する規則の変更について公表した。
 現行規則は、2011年に公表されたもので、エタノール製造事業者および燃料配給業者が保有しなければならない無水エタノール(注)の在庫量について、エタノール製造事業者は、(1)3月31日に前年度の無水エタノール取引量の8%、(2)1月31日に前年度の無水エタノール取引量の25%とし、燃料配給業者は、3月31日に15日分と定めている。 この背景には、2010〜2011年にかけて、特に中南部地域でのサトウキビの収穫端境期(12月〜翌3月ごろ)に、含水エタノール価格の上昇によりガソリン需要が高まり、ガソリンに混合される無水エタノール需要も急増したため、米国からの輸入に頼らざるを得なくなったほど深刻な供給不足に陥ったことがある。

 今回の変更は、エタノール輸入業者を対象に加えるとともに、在庫量については、3月31日時点の割合を4%に引き下げる。燃料配給業者が3月31日時点で保有すべき無水エタノール在庫量については、10日分に短縮する。
 今回の変更に伴い、輸入業者は、エタノール取引量の削減か港湾での保管容量の拡大を迫られるが、後者については、一般にエタノールよりも収益性の高いガソリンやディーゼルの保管が優先されることから、困難とされる。現地関係者によると、小規模な輸入業者ほど保管容量に限りがあるため、今回の変更により強い影響を受け、一部の輸入業者は淘汰されてしまうのではないかとの見方もある。

 また、3月31日時点で保有すべきエタノール在庫量が引き下げられることで、3月中のエタノール供給量が多くなり、エタノール価格が低下する可能性があるとの意見や、サトウキビ圧搾開始が遅れれば、4月の取引価格にも影響を与える可能性もあるとの意見もある。ただし、エタノール製造事業者と輸入業者の負担が平等となったことを評価する声なども聞かれている。

(注)自動車の燃料として用いられるエタノールには、含水と無水の2種類がある。含水エタノールは製造段階で蒸留した際に得られた水分を5%程度含み、フレックス車(ガソリンとエタノールいずれも燃料に利用できる自動車)でそのまま燃料として利用される。一方、無水エタノールは含水エタノールから水分を取り除きアルコール100%としたもので、ガソリンに混合して利用される。
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【丸吉裕子 平成30年3月30日発】
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