2017/18年度主要穀物の生産状況等の調査結果（第8回）を公表（ブラジル）

　ブラジル国家食糧供給公社（CONAB）は5月10日、2017/18年度（10月〜翌9月）第8回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。当該調査は、春植えの夏期作物（大豆、第1期作トウモロコシなど）と、秋植えの冬期作物（第2期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など）の生産予測を毎月公表するものである。
　これによると、主要穀物合計の作付面積、生産量ともには前年度をわずかに上回ると見込まれている（表1）。トウモロコシの生産量は、前年度比でかなりの減少が見込まれ、前回報告に引き続き9000万トンを下回る予測となった（図1、2）。一方、大豆の生産量は、作付面積の増加により前年度をわずかに上回るとしている。

　トウモロコシの生産量を期別に見ると、第1期作は、前年度比13.8％減の2626万200トンとかなり大きな減少が見込まれている（表2）。これは、前年度の記録的な豊作により、作付期にトウモロコシ価格が下落していたことで、作付けを大豆にシフトした生産者が増えたことに加え、単収が豊作だった前年度と比較してかなり減少することが主な要因と見られている。
　主要生産州（上位5州）のうち、作付面積が大きく減少するミナスジェライス州では、良好な天候により、単収が前年度比2.7％増の1ヘクタール当たり6.55トンと見込まれることから、生産量の減少をわずかに補うとみられている。一方、リオグランデドスル州では、干ばつの影響で単収は同11.6％減と前年度をかなり大きく下回るとみられている。

　第2期作トウモロコシの生産量は、前年度比6.6％減の6294万7500トンを見込んでいる（表3）。主要生産州のうち、最大生産州であるマットグロッソ州は、干ばつの影響で同7.4％減と見込まれている。また、マットグロッソドスル州では、作付時期にトウモロコシ価格が低迷したことによる作付面積の減少や、育成期の降雨不足により、生産量見込みは同7.5％減と、前回報告から1.6ポイント下方修正された。

　CONABは、北東部に位置する新興農業開発地域のマトピバ地域におけるトウモロコシ生産量を前年度比10.8％増の689万7100トンと前年をかなりの程度上回ると見込んでいる（表4）。バイーア州では、昨年度の単収が、降雨不足などの影響で平年を下回ったが、今年度は、2月以降の良好な天候の後押しを受け、大幅な回復が見込まれている。そのため、生産量は前回報告から7ポイント上方修正され、同17.0％増と見込まれている。

　大豆生産量は、良好な気候により記録的な豊作となった前年度をさらに上回り、2.5％増の1億1695万9900トンと、過去最高を更新すると見込まれている（表5）。
　主要生産州（上位5州）をみると、中西部地域が増加を牽引しており、マットグロッソドスル州ではブラジル全国で第2位の単収となる1ヘクタール当たり3.58トンを記録した。また、ゴイアス州では、同州の過去最高水準の単収を記録すると予測されている。

　マトピバ地域の大豆生産量は、前年度比10.2％増の1374万8400トンと2年連続で増加が見込まれている（表6）。特に、マラニョン州では同18.5％増が見込まれ、ピアウイ州でも、良好な天候から単収が増加し、生産量は前回報告から10.2ポイント上昇し、同17.3％増と見込まれている。