中国農業展望報告(概要)を発表(中国)
中国農業農村部は、4月20日、21日に北京市で中国農業展望大会を開催し、今後10年間の農業を展望する「中国農業展望報告(2018-2027)(概要)」を発表した。同大会は、2014年から毎年開催されている。
展望概要では、2027年までの農畜水産物の生産量や消費量が見通されており、本稿では、豚肉と牛乳乳製品について紹介する。なお、現時点で公表されているのは、概要のみである。
1.豚肉
2027年の豚肉の生産量および消費量は、2017年比でそれぞれ14.4%増の6110万トン、12.7%増の6155万トンと見込まれている(図1)。
生産面では、2020年台後半には、年間出荷頭数500頭以上の生産者の出荷頭数が全体の6割以上を占めると見ている。また、政府が、環境対策として飼養禁止区域を設けたこと(『畜産の情報』4月号、P95〜98参照)などから、養豚生産者の地域分布が既に大きく変わりつつあり、特に東北3省(黒竜江省、吉林省、遼寧省)と内モンゴル自治区の供給能力が急速に上昇しているとしている。
豚肉価格は、当面低下傾向で推移し、2020年ごろに底を打ち、上昇に転じると見通している。
豚肉流通に占める冷蔵の割合は、2024年以降に5割を超える(現在は2割程度)としている。
牛乳乳製品
2027年の牛乳乳製品(注)の生産量および消費量は、2017年比でそれぞれ19.8%増の4380万トン、25.1%増の6361万トンと見込んでいる(図2)。
生産面では、大規模経営(100頭以上飼養)が生産量に占める割合が、現在の6割から、2027年には8割以上となると見ている。
消費面では、コールドチェーンの発達によって冷蔵牛乳の販売量が増加するものの、当面は常温品(LL牛乳)が主流であり続けると見込んでいる。なお、現時点では、牛乳の販売量の4分の3以上を常温品が占めているとしている。
注:生産量は生乳の量、消費量は生乳換算数量。
【三原 亙 平成30年6月15日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:三原 亙)
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