米国産の畜産物や大豆など545ラインに追加関税を賦課(中国)
中国商務部は、6月16日、米国による追加関税措置への報復として米国産品545ライン(表1、これらの2017年の輸入額約340億米ドル)に7月6日から25%の追加関税を課すと発表した。また、化学工業品や精密機器など(2017年の輸入額約160億米ドル)についても、実施時期は未定だが、25%の追加関税を課すとしている。
これに先立ち、米国は、6月15日、中国産の自動車や産業ロボットなど(2017年の輸入額約360億米ドル)に対し、7月6日から25%の追加関税を課すと発表した。また、米国はこれとは別にプラスチック製品や精密機器など(2017年の輸入額約160億米ドル)についても、25%の追加関税を課すとしている。
上記の品目について、HSコードの上位4桁ごとに2017年の米国からの輸入額を見ると、1億ドル(110億円。1ドル=110円)を上回る品目は、豚肉(0203)、くず肉(0206)、ホエイ(0404)、小麦(1001)、トウモロコシ(1005)、ソルガム(1007)、大豆(1209)、粗飼料(1214)であり、特にソルガムと粗飼料は、米国からの輸入に大きく依存している(表2)。なお、米国から輸入されるくず肉は、ほぼすべてが豚のものである。
なお、豚肉およびくず肉の一部は、既に4月2日から25%の追加関税が課されている。これらのラインは、今回の発表により、さらに関税が課され、最大で70%となる(表2)。
*以前、当記事では、4月2日に課された追加関税と7月6日から課される関税は累積されないと報じていましたが、誤りでした。お詫びして訂正いたします。
【三原 亙 平成30年6月19日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:三原 亙)
Tel:03-3583-8609