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タイ商務省、キャッサバの価格安定に向けた近隣4国の協力を提案

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最終更新日:2018年6月26日

 6月20日付けのバンコクポストなどによると、6月27〜28日にバンコクで開催されるWorld Tapioca Conference2018(注)(以下「会議」という)において、タイ商務省は、タピオカでん粉などのキャッサバ製品およびキャッサバの価格安定化に向けて、近隣のキャッサバ生産国であるカンボジア、ラオス、ベトナムに協力を要請する方針であるとした。これにより、これら4カ国でキャッサバなどの値引き競争を防ぎ、中国など輸出先への交渉力を高めるねらいがある。  
 タイやベトナムにおけるキャッサバ製品の主な輸出先である中国が、2016年3月にトウモロコシの臨時備蓄政策を見直し、自国が在庫として抱えるトウモロコシのでん粉原料などへの利用を拡大した。このため、タピオカでん粉に対する需要が減少したことから、タイでは、キャッサバの価格が、生産者の損益分岐点といわれる1キログラム当たり約1.9バーツを下回る困難な状況におちいっていた。しかし、当時収益性に勝ったサトウキビなどへの転作が進んだ結果、現在ではキャッサバの価格は、供給不足などにより急上昇している(図)。  
 このことについてカンボジアの農林水産省農業総局は、「タイ政府と協議は行っていないが、キャッサバ価格の安定や生産者の経営改善にとって良いこと」とし、タイ政府から正式に提案があれば支持したいとしている。

(注)過去2009年、2011年、2013年、2015年に開催され、今回で5回目となる。前回は、中国や日本、インドなど13を超える国から1500名を超える業界関係者が参加した。
  
 なお、今回の会議では、講演だけでなく、ビジネスマッチングなども行われる予定である。これには、輸出先をトルコやインド、ニュージーランドなどに拡大することにより、各国が懸念するキャッサバ製品輸出の中国依存からの脱却を図る目的もあるとされている。


【山下佳佑 平成30年6月26日発】
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