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2018年上半期の農林畜産物・食品の輸出額が過去最高、野菜、果樹が牽引(韓国)

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 韓国農林畜産食品部は7月17日、2018年上半期の農林畜産物・食品の輸出実績を発表した。これによると、輸出量は前年同期と比べて減少したものの、輸出額は35億5200万米ドル(約3980億円、前年同期比7.9%増)と、半期ベースで過去最高となった(表1)。好調な野菜類、果樹類などの生鮮農産物が牽引し、農家の所得向上にも大きく貢献したとしている。

 野菜類の輸出額を見ると、主要品目のパプリカ、いちご、トマトは、いずれも前年同期を上回った。
 中でもトマトは、主要輸出先国である日本において、2017年秋頃の長雨曇天や相次ぐ台風の影響により供給量が減少したこと、韓国の国内生産量の増加に伴い輸出用トマトの供給量が安定したことから、前年同期を大きく上回った。輸出量は、生産量全体の1%と少ないものの、ほぼ全量が日本向けで、その多くは生鮮ミニトマトである。
 パプリカについては、供給過剰となり出荷調整が行われた前年に比べて輸出単価が上昇したため、輸出額は増加した。生産量の約4割が輸出向けであり、トマトと同様にほぼ全量が日本向けとなっている。
 いちごについては、主要輸出先国であるタイ、シンガポールにおいて、韓国産生鮮農産物の専用売場(K−Fresh Zone)を新たに13店舗開設した。また、ASEAN(東南アジア諸国連合)との経済協力などを強化する新南方政策の中心国であるベトナムにおいて、韓国産のいちごが贈答品として定着してきたことも追い風となった。

 鶏肉類は、韓国で高病原性鳥インフルエンザが発生して以降輸入を禁止していた家きん肉類の輸入をベトナムが再開したため、輸出額、輸出量ともに大幅に増加した。
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 国・地域別では、最大の輸出先国である日本への輸出については、輸出量は減少したものの、パプリカ、いちご、トマトなどの野菜類、キムチの輸出単価が上昇したことから、輸出額は増加した。
 ASEANは、ベトナム、インドネシア、タイへの輸出が好調であったため、輸出量、輸出額ともに増加した。いちごの輸出額は、タイは470万米ドル(約5億3000万、前年同期比12.8%増)、ベトナムが220万米ドル(約2億5000万、同65.5%)と、経済成長著しいベトナムの増加率が高い。
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 農林畜産食品部は、2018年下半期について、ASEANを日本に次ぐ第2の市場として育成するとし、8月にインドネシアのジャカルタで開催されるアジア競技大会において、主要競技場近くに韓国農産物の特設会場を設置し、試食や体験イベントを通じたPR活動を行うとしている。また、ベトナム、マレーシアなどでは、ショッピングモールと連携して大々的な韓国農産物の推進を展開するとしている。
 日本については、新たな層へのアプローチ、輸出業者との商談会の開催、日本の流通業者への商品提案などを通じて、さらなる輸出拡大を図りたいとしている。
【青沼悠平 平成30年7月26日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:青沼悠平)
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