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農畜産物の禁輸措置を2019年12月末まで1年延長(ロシア)

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 ロシア政府は7月12日、EUを含む欧米諸国からの農畜産物の禁輸措置について、今年12月末までの終期を来年12月末まで延長することを発表した。
 
 2014年8月、ロシアは、EUをはじめとする欧米諸国による経済制裁に対抗し、これらの欧米諸国の農畜産物の禁輸措置を講じた。その後も延長を繰り返し、今回で4回目の延長となる。
 なお、禁輸措置の対象国は現在、米国、EU加盟国、カナダ、豪州、ノルウェー、ウクライナ、アルバニア、モンテネグロ、アイスランド、リヒテンシュタインとなっている。
 
 欧州委員会によると、EU産農畜産物のロシア向け輸出額は、禁輸措置前の2013年の118億ユーロ(1兆5222億円)から、2017年には65億ユーロ(8385億円)へ減少した。食肉、乳製品、果物、野菜などが大きな影響を受ける一方、対象外であるナッツ、缶詰野菜、フルーツジュースなどは禁輸前の水準を保っている。
 ロシア当局は、禁輸措置を講じることによって国内の農業生産力が活性化され、国内生産量の伸びを加速させるために大きな効果が発揮されていると繰り返し強調している。
 一方、イタリアのマッテオ・サルヴィーニ副首相(兼内相)は7月16日、訪問先のモスクワで記者会見を行い、イタリアは禁輸措置による影響が最も大きい国であると説明したうえで、2018年末までに経済制裁を解除するため、加盟各国に対して可能なあらゆる手段を用いて働きかけていきたいと述べた。
 このように、EU加盟国の一部では、制裁解除に向けた前向きな協議が必要との声も上がっており、今後、特に今年末までのロシアおよびEU加盟各国の関係者の動向に関心が高まっている。
【調査情報部 平成30年8月3日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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